2017NBAドラフト:フレッシュマンPGのTOP3は結局どうなのか?


今年のドラフトの注目は何と言ってもフレッシュマンPGのマーケル・フルツ(ワシントン大)、ロンゾ・ボール(UCLA)、デニス・スミスJr(ノースカロライナ州立大)の3人。
フレッシュマンながら3人共に既にカレッジを席巻。
PGが豊作と言われる今年のドラフトの中でもこの3人の活躍、注目度は頭1つ抜きんでています。

この3人の評価が高いことは周知の事実だが、結局の所誰がどんな選手でどんなチームにフィットするのでしょうか。
※指名が予想されるチームはあくまで現状の順位によるものですのでご了承ください。



マーケル・フルツ

ポジション:PG
身長(靴込):191.8cm
体重:83.9kg
ウイングスパン:207.6cm
スタンディングリーチ:257.8cm
スタッツ:35.6min 23.0pts 5.9reb 5.9ast 1.3blk 1.6stl


昨夏にはU18アメリカ代表としてアメリカ大陸選手権優勝、MVP獲得。
ワシントン大入学後にはエースとして活躍とエリートプレイヤーのフルツですが、実は遅咲きの選手。
高校時代には高校2年生(日本の高1)までJV(Junior Varsityの略=2軍)でプレーしていた。
そこから高校3年生(日本の高2)までの間に10センチ以上身長を伸ばし、全米に名を馳せるトッププレイヤーとなるまでは駆け上がった。

スタッツを見ると弱点と言えるのは成功率64.7%のFTぐらいなモノで、その他は非常に優秀な成績を残しています。
動きは非常にスムースでハンドリングも良く、アウトサイドシュートも高精度、アシストを供給することも出来るとあって文句の付け所がありません。

また、彼は非常に長いウイングスパンと大きな手を持っており、スタンディングリーチも257.8センチとSGをこなすことも出来る水準。
3人の中では唯一コンボガードをこなすことの出来る点も大きな強味。
現状、彼の予想指名順位は全体1位指名でボストンセルティックスに指名されることが有力とされています。

セルティックスと言えば、既にPGにオールスターのアイザイア・トーマスと優れたディフェンダーのエイブリー・ブラッドリーがいます。
コンボガードでプレー出来るフルツならばトーマスとも司令塔役、スコアラー役をシェアしながらプレーすることが可能。
しかし、セルティックスにはマーカス・スマートもおり、フルツが加入するとなるとバックコートの人材が過剰気味。
セルティックスが1位指名権を獲得すれば、フルツ指名を睨んでバックコートの選手のトレードが発生するかもしれません。

ロンゾ・ボール

ポジション:PG
身長(裸足):191.8cm
体重:88.4kg
ウイングスパン:200.7cm
スタンディングリーチ:255.3cm
スタッツ:35.1min 15.4pts 6.0reb 7.6pts 0.8blk 1.8stl




高校時代にチノヒルズ高校を35勝0敗のパーフェクトシーズンに導き、高校NO1ガードとして数々の個人賞を受賞したボール。
カレッジでもUCLAを好成績に導き、高い個人評価を得ている。

ボールの評価として留意しておかなければいけないことは、彼の成功にはチームスタイルとのフィットが大きく関係しているということ。
UCLAには速い展開の中でボールのアシストからシュートを沈めてくれるウイングのアルフォードとハミルトン、ミドルシュートの上手いビッグマンのウェルシュ、バスケットボールIQが高くリバウンドに強く、ボール運び等でもボールを保管してくれる同じくフレッシュマンのT.J・リーフというボールのプレーをサポートしてくれる選手が揃っています。
ボールがワシントン大やノースカロライナ州立大でプレーしたとしても、UCLAと同様の成功は得られないでしょう。

現在ボールの予想指名順位は2~3位。
予想チームはフェニックスサンズやロサンゼルスレイカース。
どちらのチームも機動力の高い若手が揃っており、ボールのアシストを受けて魅力的なバスケットを展開出来るでしょう。
ボールのプレーはミスも多いので、上手くサポートしてくれる器用な選手も周囲には必要なことも気に留めておく必要があるでしょう。

また、ボールはサイズこそあるものの、コンボガードをこなせる様なタイプではありません。
独特なシュートフォームもあり、ミッドレンジからのシュートはほぼゼロ。
得点の多くはドライブか3PTのみと得点パターンも豊富ではありません。
個人能力も決して低くは無いけれど、ボールの活躍は他の2人以上にチームメイトとの相性が大きく関係してきそう。

デニス・スミスJr

ポジション:PG
身長(裸足):184.2cm
体重:79.4kg
ウイングスパン:190.5cm
スタンディングリーチ:246.4cm
スタッツ:34.4min 19.0pts 4.4reb 6.7ast 0.3blk 2.0stl



高校時代には前十字靭帯断裂も経験しているスミス。
カレッジでの活躍を危ぶむ声もありましたが、見事大怪我からカムバック。
ドラフト上位指名予想の活躍を見せています。

チームはカンファレンズゲーム突入後に負けが込み、目下7連敗中でNCAAトーナメント出場は絶望的。
スミス個人は史上初となるカンファレンスゲーム内2度のトリプルダブルを達成したり、強豪ノースカロライナ大相手に27得点を記録したりするなど、実力を遺憾なく発揮しています。

彼の魅力は圧倒的な1対1の強さ。
どんな状況であっても個人の実力で打開し、自身のシュートやアシストで得点を創り出すことが出来ます。
また、苦手とされていた3PTもここまで成功率38%とまずまずの成功率を見せています。

現状の指名予想順位は5位以内。
オーランドマジック、フィラデルフィア76ersあたりの指名が予想されます。
彼にはインサイドでアシストを受け、フィニッシュしてくれるパートナーが必要なので76ersのジョエル・エンビードとは破壊力のあるデュオとなるかもしれません。
76ersには怪我で欠場中のベン・シモンズもおり、アシストの上手いシモンズがいれば、スミスの得点能力の高さも発揮できそうです。

フルツ以外はフィットするチームを選びそう。

揃って高評価を得る3人で個人能力も皆申し分なし。
しかし、ボールとスミスは意外とフィットするチームを選びそう。
ボールはアップテンポでシューター、フィニッシャーの揃ったチーム、スミスは彼がボールを持つ時間を確保し、彼のドライブからのゲームを組み立てるチームでなければ期待されている様な活躍は出来ないかもしれません。
そしてどちらも複数ポジションをこなす器用さは無い。

フルツであればコンボガードをこなし、スコアラーとしても司令塔としてもプレーすることが出来るので、どのチームであっても一定以上の活躍が出来そうです。

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